保育園の設立趣旨と歴史
アトムの3つの柱
アトムっ子通信

アトムっ子通信

2012年

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2013年2月号 巻頭文

もうすぐ一年生(学校に引き継ぐことは)      岩木陽子

2月に入りみかん組の子どもたちは制服や机、ランドセルなどが揃いだし、小学校への夢と期待と不安がいっぱいの日々です。
今月は子どもと小学生の交流会があり、懇談会では、親が安心できるように小学校教師と学童指導員を来てもらい質問や様子を聞きます。
3月は卒園を祝う会その後にこどもの引き継ぎと就学に向けてあわただしくなります。
先日、子どもたちに「学校へ行くのに何が心配か?」と聞きました。
「おしっこいきたくなったらどうするん?」「ちこくせんかなぁ・・」「いすにすわっておけるかなぁ・・」等々、
子どもの不安な気持ちを聞き、担任は安心できるように丁寧に返答してやりました。
ある子は「じこ(事故)おこしたらどうしょう?」といいました。
かっとなるとフェンスから飛び降りようとしたり、机を投げるような激しいところがあり、危ない!とよく注意される子です。
きっとそのことを指して心配になったのでしょう。 また、ある子は「そと(外)にでて、いうこときかれへんでぐずぐずなったらどうしょう?」といいました。
嫌なことがあるとパニックになって手がつけられなくなるほどのこともあり、それを指してのことでした。5歳にもなるとこのように、表現は未熟ですが自分をかなり客観的に観ることが出来ます。たかが5歳されど5歳です。大人と同じような感覚が芽生えています。その子の特徴や気質もはっきりとしてきました。自分の思うようにいかない時の感情表現や折り合いのつけ方、緊張の出し方、なにが得意か不得意か?等々・・小学校に行っても繋がる姿が見えてきます。子どもがどんな場面でしんどくなるか、どんなところが誤解を受けるのかが想像できるだけに、そのことをしっかりと先生に伝えないと子どもがしんどくなるだろうと思います。 はじめての学校で、自分のことを理解してくれている大人に囲まれることが子どもにとっても一番安心なことです。
まだまだ自分を表現するのは未熟な5歳の子どもの特徴を先生に理解してもらうことが、引き継ぎの目的と責任だと思っています。

ボランティア「ひまわり」の方が人形劇(3ひきのやぎのがらがらどん)を見せに来てくれました。
もも組の西川ほのかちゃんのおばあちゃんの紹介でアトムに来てくださいました。(表紙に写真を載せています) ボランティアの皆さんは全員が保育士OBの方で、さすがに0歳から5歳までの子どもの心をつかむのが上手でした。
終了後の感想で、いろいろな保育園や幼稚園に行くけど、アトムの子どもはガサガサせず集中力や呼びかけにも乗りがいいですね!と言うことでした。今まで言われることがなかったので驚きました(笑)。また、無認可当時のアトムにわが子を通わせていた人が二人もいてびっくりしました。どこでつながっているかわからないものですね!! とても楽しい時間を過ごせました。ありがとうございました。

2013年1月号 巻頭文

あけましておめでとうございます!      岩木陽子

新しい年をみなさんはどんなふうに迎えたでしょうか
  私は今年で5回目の年女を迎え、いつのまにか“赤いチャンチャンコ”を着る年齢になりました。このページでは先月と今月のことをお知らせするのですが、年末のあわただしさがあったせいか12月の出来事がずっと以前のことのように感じられます。
12月7日にみかん・すいか組合同で「性と生」をテーマに懇談会を行いました。
なぜこのテーマで行うの?何を話すの?と思う方もいるのではないでしょうか。
あかちゃんはどうして生まれるの?どこから生まれるの?」「なんでお母さんのおっぱいは大きいの?」という質問を4~5歳になるとしてきます。これは体のしくみや違いに興味、関心をもつ時期が来たからです。
この年齢の発達段階と捉えて年間の懇談会テーマに入れています。 大人は性に関することを子どもから聞かれるとドキッとして、どう返答していいのかわからない人が多いと思います。ちなみに私は“橋の下から拾った”と言われました・・。
<人はどこから生まれるのか><自分はどこから来たのか><体になんでちがいがあるのか>とそんなことを子どもは聞きたいのでしょう。命や生きることにつながる問いかけです。性は命の教育だと思います。思春期になり大人に絶対そんな質問をしなくなった時に、性は生とつながっているのだと感じてもらいたいです。子どもから湧き出る自然な疑問に大人はどう考えて対応したらいいのか? 親一人ひとりの迷いや考えを話し合いました。すいか、みかんのページ(P18)を見てください。

12月10日保護者会が子どもたちにイベントをプレゼントしてくれました。NHKの子ども番組に出ている人だけに、新聞紙やロープなど日常品を使った遊びで子どもの心をつかむのが上手く、さすがだなぁと思いました。表紙にその時の様子を写真で掲載しています。
保護者のみなさん、子どもたちにすてきなプレゼントをありがとうございました
2月1日は節分があります。毎年アトムに鬼がやってきます。自分の悪いところを持っていってくれる鬼、子どもをさらう鬼などその年によって違います。節分の鬼が一番思い出に残っていると話すOBが多いぐらい迫力があります!今年はどんな鬼が来るか楽しみにしてください。
*先月(12月号)のつばさ共同保育園(園長:市原悟子)の園だより「つばさっ子」にいじめに関する内容が掲載されました。アトムの親にも知らせたいという保護者の提案があり、とても大事なことだと思うので載せました(P4)読んで下さい。

アトムが果たす役割について。

田丸 あけみ

昨年、研修や、懇談会に参加する中で、自分の幼少時代を振り返りながら、アトムの役割を再度、色んな場面で考えてきました。
まずは、自分の幼少時代を振り返ってみると、決していい環境で育ってきたとはいません。
温かく見える家庭を羨ましがっている子ども時代でした。
しかし、幼少時代の自分を振り返った時、しんどかったであろう環境を、笑いながら話している自分がいます。
それは、自分の周りの環境がとても大きかったと思います。親の代わりに声をかけてくれる大人や、親の代弁者になってくれる大人がいました。近所で私の家と名前を知らないと言う人はいませんでした。
もちろん、知ってくれているので、悪さをすると、すぐ親にばれました。
その時は、嫌だなと思った事もありましたが、今思えば貴重な環境の中にいました。

しかし、今の世間は、親に対する目が厳しく、親がしっかり育てなくては!と、肩の力を抜けず、しんどい子育てをしている人がたくさんいる。テレビで虐待のニュースを見るたび、もし、この家庭が自分の近所だったら・・・。と思うと、なんとも言葉が見つかりません。昔の様に近所付き合いしている家庭もグンと減っているのが実情です。
皆さんの、近所に子育てがしんどそうな親子はいませんか?引きこもっている親子はいませんか?もしいたら、アトムの園庭開放や、一時保育の事を知らせてあげて下さい。一時保育を利用して親が少しでも気分転換ができたり、“何かあってもここに来れば助けてもらえる”と思える場所がある。それだけでも、親の気持ちはだいぶ楽になると思うのです。そんな、“駆け込み寺”“ご近所さん”の役割も私たちは担っていると思うのです。
今年も、アトムが出来る子育て支援とは?を自分なりに考え、将来を見据えながら色んな事を実行に移していける一年になれば・・・と思っています。

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2012年12月号 巻頭文

「11月の出来事」      岩木陽子

① 11月11日(日)南小学校で行われた“子どもまつり”に参加しました。
熊取町の子どもたちにお金をかけず、手作りを中心に安心、安全な遊びを提供するために、学童を中心に毎年小学校を変えて30年間続いています。今年もアトムは幼児の遊びコーナーで参加しました。
当日は雨で体育館の中はぎゅうぎゅう詰めでしたが、1000人以上の参加がありました。舞台ではアトムとつばさ職員、子ども、保護者が一緒にダンスや歌をうたいました。

② 11月17日(土)午前9:00~11:00まで第2回祖父母交流会を行いました。
参加者62名(114世帯中47世帯)でした。
ホールに全員集合して、子どもの園生活をスライドショーで見た後、各クラスに分かれて<お孫さんとの遊び>と<豚汁を試食しながらの交流会>を行いました。
試食の豚汁の具はみかん組の子どもが前日に切りました。
参加者の感想は「スライドショーは良かったが、わが孫が写ってなくて残念だった・・」「担任と話しができて保育園が身近になった」「孫がみんなの前で自分のやりたいこと(あやとりやこままわしなど)をしているのが見られてよかった」「給食のこだわりがわかった」などでした。次回に活かしたいと思います。

③ 11月24日(祝日)げんき保育園(香川県高松市)研修に行きました
アトムとつばさの職員合わせて13名で四国までバスをチャーターしました。げんき保育園は数年前にアトムの職員会議に興味を持って幾度か見学に来られて交流をしてきました。今回はアトムが出向いて学んできました。研修報告を載せましたのでご覧ください。こちら(PDF)

④ 11月30日(金)ママさん吹奏楽「シェスタ」の演奏会がありました。
午前10:20~11:00までホールで行われました。みかん組の武内乃安君のママが活動しているサークルで演奏者はみなさん子育て中のママでした。初めて見る楽器にびっくりしたけど、0才後半から5才までみんなが楽しめる曲を演奏してくれて、とても楽しめました。ありがとうございました。

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2012年11月号 巻頭文

「根っこの会」      岩木陽子

 10月27日(土)午前9時から11時まで全体懇談会「根っこの会」を行いました。
分科会形式で2つのテーマで話し合いました。テーマ①は岩木、②は田丸が報告いたします。
テーマ①<アトム卒園後の子どもの様子を知る>

参加者はアトム在園3名、OB保護者7名、職員6名の計16名でした。
「アトムを卒園した子どもは学校になじみ難いのでは」とよく言われるが本当にそうなのか、OB保護者を交えて入学後の友達関係や勉強など子どもの様子を聞きました。
OB保護者の話は、「子どもはその時その場で適応する力がある」「子どもの問題はその子の個性の問題でアトムの問題ではない」「子どもの気質、性格を知っておくほうが大事」と共通していました。
在園の親から「気持ちを伝え自分を表現することを経験しているアトムっ子とそれを経験していない他の子に差があり、気持ちが伝わらないことにしんどくならないか」と心配する声がありました。
そのことに対して18年前アトムを卒園し、今は職員で働く前川良太が、小学校入学時は椅子に座るのが苦手だったり、友達と喧嘩したときも相手が気持ちを言わないことでよけいにトラブルになったが、どう言えば伝わるのか、今は何をする時かを考え、周りの空気を読みながら、自分で切り返せるようになってきたという体験談を話しました。
OB保護者からもそれも含めて適応力がついてくる。子どもが自分で違う伝え方を考え、折り合いをつけていけるので、親が不安になりすぎることがかえってよくないのではというアドバイスがありました。

アトムで大事にしているのは互いの気持ちのやり取りで解り合う人間関係です。何かが出来る出来ないという目に見えたものではありません。
日常の繰り返しの中で養われることで、地味なことです。地味で大人に見えにくいから“アトムの子は・・”という印象なのか、気持ちを伝え合うプロセスでトラブルになることが多いので、あたかも喧嘩を推進しているような印象が誤解になっているのか・・どっちもある気がします。
子育ての考え方はいろいろあります。
アトムの方針がすべて正しいと突っぱねるのではなくて、考え方の違う教師や保育士や親などが一緒になって、子どもに大事なことは何かを照らし合わせ、考え合うことが“アトムの子は・・”というようなことを解決していく道なのだろうと思います。

最後にどのOB保護者からも「親同士のつながり」が語られていました。
「わが子のことをよく知ってくれている親がいると安心できる」「思春期には親の目が行き届かない、そんな時に小さい時からわが子を知っている親と繋がることで、心配事が相談でき親も安心できる」というOB親の気持ちを聞き、アトムを離れてからこそ親同士のつながりが大事だとあらためて思いました。

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2012年10月号 巻頭文

9月の出来事      岩木陽子

<中間総括>

今年度も半年が過ぎました。この間子どもに大きな事故がなかったことに安堵しています。9月22日(土)9時から13時までの4時間で中間総括を行いました。休園のご協力ありがとうございました。
4月からの保育カリキュラムの振り返りに2時間、保育士の半年の振り返りに2時間の割合で話し合いました。4時間はアッという間で時間が足らず、30分延長しました。
今年は新しく、つばさ共同保育園が誕生して、アトムも新人保育士6名を迎え入れました。
保育士の振り返りでは、新しい職員との出会いに期待と不安の中で、実際のコンビネーションがどうだったか?の話に時間を割きました。
気持ちを伝え合い、理解し合うことに四苦八苦した現状で、半年を経てようやく少しずつお互いの気持ちが解り合えてきたように思います。
アトムは何十年と今回のような職員同士の話し合いをしてきました。私自身も本音がなかなか出せずに、同僚や先輩職員に「ありのままの気持ちを表現しているか?」と何回も問われつづけました。
長く一緒に仕事をした職員同士でも、互いにしんどくなると泣いたり怒ったりしながら気持ちの伝え合いをし、時間をかけてようやく関係が作れてきたのだと思います。
伝え合いを何年も重ねながら、気心が知れてコンビネーション作りが出来ていくので、新しいアトム職員は今からのスタートです。
後半も泣いたり笑ったりしながら、コンビネーションづくりに努めます。

<もも組(1歳)臨時懇談会>

1歳児クラスは、子どもの“かむ、ひっかく”が毎年起こり、必ず懇談会のテーマにもします。今年も7月の懇談会で話し合いました。その後もかむ、ひっかくが続き、保育士の神経はピリピリと緊張状態でした。
子どものためにより良い保育をしたいと思う保育士がこれでいいのか・・担任のしんどさを率直に伝え、保護者に一緒に考えてもらおうと、9月21日に再度懇談会を開催することにしました。
保護者からたくさんの感想が寄せられました。もも組のページに載せています。
<保育士の退職>

吉見保育士(すいか組)が9月30日で退職することになりました。
4月から新職員で採用され、一緒に働いてきました。
保育の仕事をするうちに、自分がこのまま仕事を続けていいのか?この仕事に向いているのか?とだんだん悩みが深くなっていったようです。体調を壊すことも続きました。
この間吉見と何度も話し合い、結果的には本人自身が出した結論を尊重して退職を受理しました。すいか組のページに吉見の思いと新担任の紹介を載せました。

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2012年9月号 巻頭文

8月の出来事                                      岩木陽子  暑い日が続き、子どもたちは水遊びに明け暮れる毎日でした。食事時や午睡中はエアコンを利用しながら、この暑さを乗り切ったという感じです。とはいえまだまだ暑い日が続いています。こんな時に日本では“残暑見舞い”という良い風習がありますよね。
今年は文字に関心を持ち出したみかん組の子どもたちがおじちゃん、おばあちゃんに残暑見舞いを出しました。メールが氾濫する中で、まだまだ暑いことをこんなふうに慰め合うやり取りがあることを知ってほしいという思いでした。
毎年この時期に「全国保育団体合同研究集会」が行われます。全国の保育士が集まり実践や講演を聞く研修会です。昨年は群馬県で行われ、アトムから3名が参加しました。
今年は神戸で行われ、職員全員が参加できました。 職員には参加にあたって
①同じ分科会に参加しない
 ②一言でも発言する
 この2点を伝えました。全員の報告を載せています。紙面上簡単にしていますが、もっと詳しく聞きたいことや感想などあれば是非直接に聞いてください。


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2012年8月号 巻頭文

いじめ事件と大人      岩木陽子


7月に滋賀の大津で起きたいじめの問題が連日大きく報道されています。
自殺の練習などという背筋が凍るような出来事です。中学生が自ら命を絶つなどということはあまりに悲しすぎ言葉を失います。
それまでにどうにかならなかったのか・・と親として心を痛めている保護者の方も多いと思います。
いじめが起きた中学校の生徒に今回の事件をどう感じるかのアンケートを取ったようです。「早くに気付けなかったこと」や「気づいていたけど知らない振りをしていたこと」を後悔する中学生の心情に、さらにやり切れない思いになりました。
いじめは、みんな同じ考えや行動をしないとはじかれることの不安、違う意見を言うと次は自分がいじめられるのではないかと恐怖になるようです。
生活は便利で、快適に過ごせるようになり、大人は子どもに時間もお金も費やしているのに子どもは少しも楽になっていないように思います。
何か子どもが育つ上で大事なことがそぎ落とされているのではないでしょうか。
自分は自分のままでいいし、自分とは違う他人もいていい!
自分と他人は違うものだという肯定感や安心感が持てるような環境を私たちは作ってやれているか?
大人の偏った価値観だけで追い詰めていないか? 子どもは大人や社会の影響を受けて育つのですから、大人自身が自分の価値観や人との関係を見直すことがいるのだと思いました。

 アトムの方針(大事にしていること)の一つに、大人の人間関係があります。
大人も日々人間関係で悩んでいます。仕事や家のことでうまくいかないと、他人を責め、自己嫌悪に陥ったりもします。
そんな時に自分の不安や心配事を話せる人がいて共感し合い、他人の意見を聞いて自分の考えを見直し、相手を認めることができれば、気持ちが楽になれ、子育ても楽になれるのだろうと思います。
日報、懇談会、職員会議、アトムっ子など様々な場をつくっているのはそのためです。
先月のアトムっ子に二人の保護者の意見を載せ、たくさんの反響をもらいました。
「わたしもそう感じていた」「そこまでのことを感じなかった」「こんなことを園に言っていいのかと思う」「園としてきっぱりとした対応があっていいのではないか」「何を伝えたいのか?載せた意図がはっきりわからない」など本当に様々な意見がありました。
こんなふうに関心を示すことから関係づくりの一歩がはじまるのだと感じています。
今月はOBの母の話や茶谷(すいか担任)岡田(もも担任)の子どもの頃の話を載せています。
9月には「一人っ子の会」10月には「根っこの会」という名称で保育内容を考える会も行います。
大人が多様な価値観を認め合うことは、理屈では理解できても、実際の感情では面倒でしんどくてできたら避けたいこともありますが、子どもが人に安心できる環境で育つために、大人が努力するしかないのだと思います。仕事と育児で日頃は多忙と思いますが、子どものためにたくさんの場で伝え合いをしましょう! 

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2012年7月号 巻頭文

保護者との話      岩木陽子

 新年度がスタートして3か月、この間何人かの保護者の方に“親の思い”をいろいろと聞いてきました。 6月になってからも2人のお母さんの話を聞くことが出来ました。
この巻頭文でそのことをお知らせしたいところですが、今回はお母さんの生の声でその時の様子をお伝えします。(次ページに載せています) それを受けて6月の職員会議では注意事項の確認と「日報は必要か?」というテーマでの議論を行いました。
今回お母さんと話をしながら、私はできることならば保護者の方一人ずつの気持ちが聞きたくなりました・・・。そこで、昨年の12月にクラスを超えて全体の保護者向けの懇談会「保育内容を考える会」を開催したことがあり、この夏には第2回の全体懇談会を開催して、保護者の気持ちを聞こうと思いました。クラスを超えて親と保育士の考えや気持ちの伝え合いを行いたいと思っています。
時代や環境が変化すると保育内容も変わっていきます。それでも変わらずに大事にしたいことは人と人のコミュニケーションです。
職員同士、親と保育士、親同士と子どもを取り巻く大人の伝い合いをずっと変わらずに大切にしていきたいと思います。忙しい中で本音を伝え、書いてくれたMさんとWさんに感謝します。ありがとうございました。
また、職員の志賀もみかんのページで本音の気持ちを書いていますので読んでください。
偶然にも渡辺さんが昨年の「保育内容を考える会」にふれてくれていました。

保護者が寄せてくれた内容はこちらをクリック

「保育内容」というと難しいことを話すのかと気がひけてしまう人がいるかもしれません・・・。難しく考えずに気軽に参加していただきたいので、「保育内容を考える会」の呼び方を変更したいと思います。何か良いネーミングがあれば岩木まで教えてください。

*最近、アトムっ子の感想が少なくて、さみしく思っています。よかったところやもうちょっとこうしてもらえれば・・などなど意見や感想を寄せてください。職員も励みになり、次に生かそう!とより良いものが目指せますのでよろしくお願いいたします。
*全体懇談会の日程は今のところ8月11日(土)9時から11時で予定しています。
詳しくは後日お知らせいたします。


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2012年6月号 巻頭文

理事・事務室の紹介をします。      岩木陽子

① 第三者委員(苦情解決委員)の方が決まりました。
今年の第三者委員をお知らせいたします。
赤星光顕さん(美熊台) 向 和夫さん(東和苑) 重光俊則さん(美熊台)
地域にお住まいの方です。5月に第1回の委員会が開催され、保育園の様子を報告しました。
詳しくは事務室の窓に貼り付けていますのでよろしくお願い致します。
② 山本健慈理事のお母さんが亡くなられました。
理事のお母さんは、これまで長い間アトムっ子のために“どくだみ茶”を作って下さり、子どもはそれを毎日飲んで元気に過ごしてきました。また、折り紙で出来たサンタクロースを送付してくださったり、絵本の読み聞かせをして下さったりと、あたたかく子どもたちに接していただきました。ありがとうございました。ご冥福をお祈りいたします。
③ 新人保育士の指導
新年度スタートして2ヶ月が過ぎ、慣れない子どももようやく落ち着いてきました。新人保育士も緊張がほぐれてきました。そんな折、保護者から「園長は新人保育士に日々の子ども対応をどう指導しているのか?」という質問を受けました。今年新卒保育士が多いので親としては当然の疑問だと思います。
子どもを安全に保育するためのマニュアルは作成しています。園庭遊びや散歩時の注意事項など子どもを遊ばす時の危険予測の仕方、事故や怪我が起きたときの対処の仕方などはしっかり頭に叩き込んでもらわなくてはなりません。その場の判断を要するときは経験保育士がその時々で新人保育士を指導することもあります。
しかし、子ども対応では細かいマニュアルは作成していません。保育で子ども対応は大事なのですが、マニュアルでは伝えられないことが多いです。対応で一番困るのは子どもが思うように行かないときです。すねる、おお泣きする、手が出る、時に言い合いから殴りあいに発展するときなど・・・そんな時の対応に新人保育士は大きく悩むと思います。それで経験保育士の真似をすることもあるでしょし、私たちも対応のコツは教えることがあります。
子どもが思うようにいかないときの表現は一人ひとり違います。激しく主張する子、トラブルが嫌ですぐ引き下がってしまう子、手が出る子、何を聞いても貝のように口を閉ざす子など。
似たような表現をする子どもはいても、一人として同じ子どもはいません。みんな違う個性を持っているので対応も変わってきます。同じ叱り方をしてもそれが通じる子と通じない子がいたりします。対応のマニュアルが無いのはそのためです。 結局、その場にいる保育士が子どもに何を感じさせたいのか?どうしたいのか?という思いで、子どもと向き合い、個性を理解しようと努めるしかありません。それしか心を通じ合わせるものはないと思います。子どもはみんな違うので、どんなベテラン保育士でも自分の対応が子どもにマッチしているかどうか見直すことは必要だと思います。
自分でいろいろな対応を試みて子ども観察をし、子どもの心に通じる保育をつかんでいくしかありません。新人保育士には萎縮せずいろいろな対応にチャレンジすることを伝えています。

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2012年5月号 巻頭文

大人の関係と子ども      岩木陽子

 新年度がスタートして1ヶ月が過ぎました。今年は新入園児が25名、園児総数134名で、例年よりも20人程少ないスタートでした。そのせいか全園児が新入のつばさ共同保育園の大泣きに比べたらアトムは落ち着いていました。
全クラスの第1回懇談会も終わりましが、参加の方はいかがだったでしょうか?
私事ですが、私は保育士になって22年目です。その間いろいろな人間関係にぶつかってきました。保護者との伝え合いが上手く出来ずに怒りを買った事もありました。職員間でも苦手な人には自分の気持ちを言わずに避けることが多かったです。もともと自分の気持ちを伝えて相手が嫌な思いをするぐらいなら黙っておこうとするタイプの私です。人との関係も不器用でした。
今でも決して器用ではないのですが、人のつながりを大切にするアトムで働いて、煩わしい人間関係が避けられない現実に突き当たることがいくつもありました。人間関係の難しさ、面倒くささにしんどくなりながらも人のつながりに魅力を感じて今に至っています。
保育園は子どもが育つ(実は大人も育つ)職場です。子どもはそこで過ごす大人がどんな関係でいるのか?何を大事にし合っているのかを日々の中で鋭く感じ取っています。
スキをつかれまいと弱みも見せず(人はみんな弱いところがあるのに・・)張り詰めただけの関係で本音も出せずに、陰口で不満を解消するだけの関係であれば子どもはそれを感じ取ります。トラブルを繰り返しながらも大人が一生懸命お互いを理解し合おうとしていれば、子どもはそれを感じ取ります。子どもはまだ小さいので、大人がどうあってほしいのかを言葉では言えませんが、大人の様子を感じ取り、影響を受けながら大きくなっていきます。
この世に生まれてたかだか5年の子ども達です。せめてその間ぐらいはピリピリした大人の関係や評価を気にするのではなくて、大人に安心できる、お父さんやお母さんだけでなく、保育士も友達の親も近所のおっちゃん、おばちゃんもみんな、「安心してあんたはあんたでいてええんやで・・・」とそんな柔らかな目線、メッセージが送れる存在でありたいと思います。
学校に行き、大人になれば否応なく競争や評価の社会に入ります。嫌な人間関係にも直面していきます。保育園時代の体験が人との繋がり方に多少なりとも影響してくるのだと思います。
  私の子ども時代(昭和30年代)のように何もかもが不便で味噌の貸し借りから農作業の手伝いまで大人が助け合わないと生活が成り立たない社会がありました。今はずっと便利になりました。24時間コンビニは開いていますし、お金さえ出せばたいていの生活はできます。
周りと関わらなくても生活は出来るけど、生きていくのは人とのかかわりでしか成り立ちません。大人が意図的にかかわらないと人間関係が大事に出来ない社会です。 大人の人間関係は子どもよりもずっと面倒です。性格の違いやお互いの誤解からトラブルは山ほど起きます。きれいごとではなくてアトムの職員関係もそんなことの繰り返しです。 
大人の関係が子どもに影響していることを忘れずに、“自分はこんな人間です”と等身大の自分を表現してお互いの違いを判り合え、子どもの手本になれるような関係を築いていきましょう! 
そのための懇談会、日報のやりとり、職員会議等々・・そしてささいな会話も大切にしていこうと思います。

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2012年4月号 巻頭文

理事・事務室の紹介をします。      岩木陽子

理事・事務室の紹介をします。
アトム共同保育園は社会福祉法人アトム共同福祉会が運営に責任を持っています。
理事長:   市原悟子(つばさ共同保育園園長)
非常勤理事: 山本健慈(和歌山大学学長)  金石愛子(美熊台民生児童委員) 
瀧本喜則    原田仁    鬼頭彦司
【監事:吉木浩 赤塚真紀子】
* 以上が理事会メンバーです。理事会は2ヶ月に1回行われています。

事務室メンバーの紹介
園長の岩木陽子です。
1953年滋賀県で生まれました。家族は夫、娘が2人、92歳になる実母の6人家族です。熊取に28年住んでいて、生まれ育った滋賀よりも長くなりました。
園長は2年目になりますが、保育士歴は21年になります。
先月(3月20日)に第28回「子育てと保育の集い」がつばさ共同保育園で行われました。参加者は熊取町内94名(つばさ地区34名、地区外60名) 町外29名 職員42名計165名の参加がありました。ありがとうございました。
アトムを卒園した小、中、高、大、社会人まで8人のOB,OGたちが保育園時代の振り返りを聞かせてくれました。その話からアトムで大切にする保育内容を再確認できました。
*「大切にしていること」は2012年度のアトム共同保育園のしおりに掲載しています。

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2012年3月号 巻頭文

三つ目の保育園作りにチャレンジ           市原悟子

 私にとっての最終アトムっ子です。
みなさま、長年のアトム生活を支えていただきましてありがとうございました!
今年は、つばさ準備室長としての任務だったせいかこれまでを振り返る機会が多く、最終アトムっ子に私の歴史の一端を書かせてもらいます。
私の保育士生活は1974年京都大学内の認可保育園からスタートしました。
保育士1年目、担任した2歳児の子どもを順番に下宿に連れ帰り泊ることをよくやっていました。銭湯に連れて行った時、「若いお母さんなのに偉いね」と言われ、「保育士です」と言えずに母親ぶったことも良き思い出です。誇りをもって仕事をしている保護者の気迫、熱気に圧倒されながらもその保護者たちを支えたい、役に立ちたいという思いが自然に湧き出てきました。活気あふれる保育園、全員年上の保護者、新人の私を温かく育ててくれようとしている雰囲気を感じ伸びやかに仕事ができました。とにかく毎日が発見で楽しかった新人保育士時代でした。私の保育士としての原点だと思います。
    その4年後、京都から大阪へ、泉佐野の公立保育所(3ヵ所)でパート勤務、保育内容や保護者への対応に疑問、異論たくさんありましたがパート勤務という立場では「余計なことはしないように」「保護者に直接話をしないように」と制約ばかりでした。『正規職員で働きたい!』思いは強くなるばかり、京都時代の園長から「熊取にアトムと言う姉妹園があるから一度行ってみたら」と言われ運転免許も持っていない当時、自転車でアトムを訪ねたのです。その後、4人の運営委員が私の自宅に来てくれ「待遇も職員の人間関係も悪くとても大変と思いますが働きますか」と聞かれ「正規職員で採用してくれるのであれば働きます」と返事しました。
25歳、妊娠5ヶ月アトム生活のスタートでした。
京都の新人生活とは一変、5人の職員集団の一番年下にも関らず責任もつ立場になり「こんなはずではなかった」と思いながらもこの最悪な状態をなんとかしなければと「居心地の良い保育園づくり」を始めると同時に認可保育所を目指したのです。
アトム内で奮闘の日々、アトムの外の社会では「子どもの育ちが危うい」「道具を使えない小学生」「校内暴力・イジメ・登校拒否問題」「青年の殺人」など等、明るいニュースより暗いニュースのオンパレードでした。ある日ふと思ったのです。学校に入学するまでほとんど全員が保育園か幼稚園体験をしている子どもたちなのに、どうしておかしい方向へ進んでいくのか?どの保育園、幼稚園も目標掲げ懸命にやっているのにどうして?子どもの成長に責任持つとはどういうことなのか?保育士は子どもにどれだけの影響を与えることができるのか?と悩み始めました。
研修会にも参加し、文献もよく読みました。研修会では「ごっこ遊び」「集団作り・仲間づくり」などみんなで一つのものに向かって心をひとつにする体験が重要なことが強調されていました。20年前から問題化してきた人間の育ちへの危うさと保育内容との関わりはないのか?幼児期の体験を真剣に考えないと大変になると思いました。数多い青少年事件の検証、保護者や職員、アトム卒園児、そしてこの社会の状況を見ながら議論を重ね「成長する機会は一時期ではなく、一生」「こどもの遊びは総合的な学習」「仲間作りは無理強いして作るものではない」「人的環境は幼児期だけが重要ではなく一生重要」アトムの結論でした。『ヒトが人間に育つ』のは当たり前なことだと思っていましたが、人間に育つにはそれなりの体験が必要なのだと思います。助け合わなくてもお金で解決できると考え違いをした時期からきっと育ちがおかしくなったのではと思います。幼児期のしつけや学歴が強調されて、人としての育ちの研究がなされていないと強く思います。既成の保育内容に疑問をもち、現実の社会をみて「人間」に育つ体験を保障するアトムの実践です。助け合いの精神と人が育つ体験を重要視した保育内容が評価されて、認可を目標に掲げて18年かかりついに2003年その夢は実現し二つ目の保育園作りが始まりました。認可1年目の大変さは予想をはるかに超えたしんどさでした。しかしそのしんどさも半年経てば半減、一年終わる頃には喜びに変わっていました。そして町内にアトムのような保育所が必要とされて、つばさ共同保育園が開園となる運びとなりました。
全国的にアトムの保育実践は最前線だとの評価を受ける一方、熊取町内では「アトムは子どもの勝手きままに遊ばせているだけだ」「問題ある子どもを個性だと片付けてわがままを許している」と言われたと保護者から聞きます。アトムの実践を直接見て、疑問があれば聞いてほしいと強く望みます。社会が変われば人間の育ちも変化します。だから議論、検証が必要なのです。その為にアトム外の人にも参加してもらって議論する場の「子育てと保育を考えるつどい」を28回も行なっているのですが、話し合いの場にはそのような人は参加しません。その人なりの考えを聞かせてもらうことでより良いものが生まれるかもわからないのに残念です。保護者の中にもきっと言いたいけど言えない人がたくさんいるのだろうと思います。保護者の意見を聞く場を作らない保育園もたくさんあります。アトムの精神は「共同」です。水面下で保護者と職員が敵対なんてことのないように「懇談会」の場で思いや考えはきちんと表明しあいましょうね。
 今年は保育園の準備室長として設計から業者選定など全く初めてでとまどいばかりでしたが設計士の方、建築業者の方に助けてもらいながら、すばらしい園舎が完成しました。本当にみなさまに感謝でいっぱいです。まさか自分が3つの保育園作りに携わるなど予想もしていませんでした。
 三つ目の保育園作りは又、一からのスタートだと心を引き締めています。アトムで作ってきたものをつばさでも作っていこうと考えています。どうぞ老体の私を支えて下さい。   よろしくお願い致します。

2011年度、アトムを私も一緒に卒園です。    市原 悟子

 お母さんそしてお父さんへ

一番しんどい子育て期、アトム時代お疲れ様でした!私もみなさんと一緒にアトム生活卒園します。うれしいような。寂しいような・・・。
誰かの庇護の元でしか生きられない、生命を維持できない0歳から、食べ物を見分け自分で食べて、好きな服を選び、着替え、好きな遊びを見つけて好きなように遊べるほどに成長したのですから。子どもの停滞しない6年間の成長、発達に大人はどこまで追いつくことができたでしょうか? 6年間の懇談会では子どもへの理解は深まりましたか?人としての育ちの順番はわかりましたか?自己肯定感や自信はどのような体験から育まれるのかわかりましたか?
人間の育ちは複雑だと思いませんか?乳幼児期の育ちで決まるなんてことはあり得ない!人生いつ、誰と出会い、どんな影響を受けるかで変化すると思います。
残念ながらアトムでの6年間で人生決まるわけではありません。
先日、岐阜から2名の学生がアトムに実習に来ました。
アトムに来る前に小学校、小学校の授業のような時間設定で子どもを動かせる保育園、自由保育と言うけれど先生が設定したテーマの遊びをしている幼稚園、の実習を終えて来たので、「アトムにとても驚いた」と言っていました。
「特にアトムの子どもたちの豊かな表現力に驚いた。どの子もイキイキみんな表現している。他のところでは一部の子どもの表現に他の子どもは圧倒されて黙っている状態だった」「保育士と子どもの距離が近い。保育士に安心している」「子どもが主体的に楽しく遊んでいる」他園とアトムの違いについて感想をたくさん言ってくれました。アトムの実践はどのようにしてできたのですかとの数々の質問を受けました。
「目の前の大人と子どもの育ちを分析しながら子どもに必要な体験を考え出している保育内容です」と答えました。彼女たちに限らずアトムの保育に関する質問はよく受けます。それはアトムの実践が珍しいからだと思いますが、多くの大人は、就学前教育に対して子ども達は何分机に座れるか、文字を書けるか、算数ができるか、英語ができるかなど学校の評価基準、点数の価値観に支配されていると感じます。人間が育つことが置き去りにされていると思いませんか?自分が好きな遊びは何か、何をしているときが楽しいのかなどから、自分を知る、自分を作る機会は人生のどの時期なのでしょう。
子ども時代はしたいことを制約なくできる、友達のしていることを真似てしてみる、心動かされて真似してみたが自分はあんまり楽しめない、他のことしてみようと次々試みる。そんな体験を繰り返しながら自分を認識していくのだと思います。自由な時間、自由な遊びができる時期、その時期は一生のどの時期なのでしょう。お試し期間が全く許されず、管理と押し付けの生活で何が育つのでしょう。目先の目に見えることだけに心を動かさず、長いスパン、深い度量で子どもを理解してやってください。学校生活に入ると親は一挙に点数の価値観に支配されて子どもに注意ばかりガミガミ言うでしょう。そして学校の先生からも「家で注意してください」などの言葉も多いでしょう。その時にはわが子に何を伝えるのが重要なのか。重要なことを親がきちんと整理して子どもに伝えてやってほしいです。特に1年生は学校の世界に慣れるのに時間がかかると思います。緊張から何かやらかすこともあるでしょう。なのに親は「小学生になってこんなことして!」と叱る例をたくさんみました。急に小学生には成れないのです。1年間かかって1年生になるのです。新しい環境に気持ちも疲れると思います。学校と家は違います。家に学校の価値観を入れ込まない親であってほしいと子どもは望んでいます。家に帰っても緊張が続くとどこでホッとできるのでしょうか?子どものいたずら、やらかすことに親が目を瞑ってやっても大きくそれた育ちにはなりません。断言します。人間の育ちは複雑です。親の影響は大きいと思いますが、いつ、どの時期に誰と出会うかで変わるのです。肉親だけでなく他人の影響も大きく受けるのですから・・・。

 伝えたいことがもうひとつあります。もっと先のことですが思春期は親に反抗しそれを乗り越えて成長する、反抗は成長に欠かせられない行動だということを覚えておいてください。この時期はことごとく反抗的な子どもの態度に親も絶望的な気分だし子どもも自分を持て余す異常事態だと思います。そこの絶望、閉塞関係を正常にできるのが他人なのですが、近年子どもを育てるのは親の責任、子どもの問題行動子育てが原因と言い立てる風潮が強くて他人に相談できない状況を作り出していると思います。幼児期の育て方と思春期の育て方は転換していく必要があるのに、それを知らない親が多い、それを教えてあげる他人がいない。『他人の出番』でしか解決できないのが思春期の問題だと思います。幼児期の親子関係がうまくいかなかった結果、思春期に反抗するのではないのです。反抗的な態度も3年もすれば落ち着いてきますがどのように落ち着くかも他人の言動は大きいと思います。一生他人との関りの中で生活するのだと自覚すれば他人との付き合い方も違ってくるでしょう。『育む会』に入って思春期の問題なども考えるといいですよ。

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2012年2月号 巻頭文

1月の報告      岩木陽子

1月4日(水)熊取町の互礼会が今年の仕事始めでした。 今年は「つばさ共同保育園」も開園となり、新たな気持ちでがんばろうと思っていた矢先に、職員の一人が体調不良から仕事ができずにしばらく休むこととなりました。 保護者の方には急な担任変更をお願いすることになり、ご心配をかけ申し訳ありませんでした。  来年度は<アトム共同保育園>と<つばさ共同保育園>の二つの園が同時にスタートします。今現在アトムで働いている保育士は二つの園に分かれて保育にあたります。
アトムとつばさ、それぞれで働く保育士が決定しました。

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2012年1月号 巻頭文

「保育内容を考える会」      岩木陽子

 12月3日(土)9:00~12:00で第1回の「保育内容を考える会」を行いました。
初めての全体懇談会で、保護者9名(ばなな2、ぶどう1、すいか4、みかん2)と職員10名の参加がありました。
きっかけは4歳児クラスの保護者から投げかけられた質問がアトムの保育の根底に関わる大事な内容だったことと、昨年度保護者の意見を聞いてカリキュラム作成もしていたので、全体でアトムの保育内容を振り返るよい機会だと考えて開催しました。参加人数が少なかったのは残念でした。話し合いは、参加者全員が年齢別に座り、自分の5歳までを振り返りところから始まりました。
それぞれ幼稚園か保育園育ちかを話しながら、時代で流行った遊びや生活発表会、コミュニケーションの手段などの思いでを楽しく話ができました。当時の社会背景や保育の歴史も見えてきました。その後、具体的な保育での質問や要望の話し合になりました。 補足も入れて報告します。参加者の感想も後半に載せています。
アトムへの質問と要望

1、一般的に保育園では行事を大事にしているが、アトムはそうは見えない。みんなでひとつのことに取り組み一斉にする行事(運動会や生活発表会)を否定していないか?もっと行事にいろいろなやり方、レパートリーを増やしてほしい
   子どもは保育園で毎日友達と一緒に遊び、けんかをしては泣いたり笑ったり怒ったりして過ごしています。園庭でおもちゃの取り合い「おれが先に遊んでたんや!」「違う!おれが先見つけてちょっと置いといただけや!!」と叫び合ったり、散歩に行く前にだれと手をつなぐかでもめたり・・と。自分の思うようにいかない時の気持ちの出し方は、力任せに強引にいく子、気持ちが言えずに黙ってしまう子、本当はいやなはずなのに平気を装う子、大人に言いつけるだけの子、など表現は様々です。5歳ぐらいになると子どもの力関係もはっきりして、自分より弱い子には強い態度に出たり、嫉妬も出てきます。
何が納得できないのか?相手の言い分は何か?お互いに勘違いしてないか?自分の気持ちは伝わったか?相手はどんな気持ちでいるか? など自分と相手の気持ちのズレを知り、自分の思いをかなえるためにはどうしたらいいか?気持ちよく遊ぶためにはどうしたらよかったか? 保育士は絡まった気持ちを解きほぐすように対応していきます。自分の気持ちを上手く表現できないことも多くて時間と根気が要ります。
安心して気持ちを吐き出し(自己表現)相手との違いに気づき、自分の気持ちに折り合いをつけながら友達関係をつくる毎日です。人間関係の土台となるとても重要なことなので時間がかかっても繰り返し積み重ねています。
今の子どもの気になるところは“コミュニケーション力の不足”だと多くの教師から聞きます。相手の立場に立てずに自分中心に解釈してトラブルに発展したり、人との関係に緊張し、自分の中にこもることでしか安心ができない子が増えてきているようです。こんな様子を知ると、この先も人とのつながりでしか生きていけないのにどうなるのだろうか・・と気にかかります。
(大人に近い感情が芽生えている)幼児期にどんな体験があればコミュニケーション力がつくのかを考えたとき、日々の生活でお互いの気持ちをぶつけ合い、こねあう体験を積み重ねることでしかつかないのだと思います。一回の行事より日常の生活体験を大事にするのはそのためです。  とはいえ、行事を否定しているわけではありません。家族に見に来てもらえることを喜ぶ子どももいますし、子どもの晴れ舞台を見たい親心もわかります。
ただ、誰のための行事か?何のための行事かを考えることは大事です。今回に限らず今までも親から行事への指摘を受けてきて、その度に職員間で議論してきました。(その様子はアトムっ子10月号に詳しく書いています) ①大人に見せるための行事はしない
 ②子どもの姿を子どもの自己表現と捉え子ども理解を親と共に深める
 ③子どもには自らチャレンジすることを大事にして強制はしない
 ④行事そのものの出来栄えは重要視しない
 ④子どもも大人も楽しめるようにする などを大事にして行事を楽しみたいと思っています。以前にもみかん組でリトミックの発表を親に見に来てもらったことがありました。日常の保育でも音楽や劇遊びなどの楽しみ方、レパートリーを増やしていきたいと思います。
2、保育のやり方で保育士が悩んでいると表情が曇って見える。市原や岩木はフュローやアドバイスをしているか?
  そんな時は必ず話をしています。管理職だけではなくて職員同士でも気になれば声はかけ合っています。悩みによってはすぐに解決できないこともあり、結局は自分で乗り越えていくしかないので時間がかかる時もあります。
3、子どもの縦のつながりを持てるようにしてほしい 4年前から3歳以上児対象で縦割り保育を行ってきました。今年は持ち上がり担任のいなかった4歳児が落ち着くのを待つ間に実施が遅れていました。さっそく担任間で行っています。5歳児は後半に1~2歳児のお手伝いをしています。
4、 保育に親の参加を増やして欲しい いつでも自由に保育を見てください。散歩に一緒に来てくれることも大歓迎です。
クラスレクレーションもおおいに参加してください。
5、総括を見学できないか?
  個人情報を漏らさないルールは守れたとしても、個人の話を他の親に聞かれることにいい気持ちをしない人もいるだろうし、当人に了解をもらうことも必要です。現実にはむずかしいです。
6、 行事を日曜日にしてほしい
7年前までは日曜日にしていましたが、保育は休めないので翌日に全員が代休を取れずに保育士の負担が大きくなりました。そこで、保護者に土曜日に行事を行う事を了解して貰った経緯があります。今後もご了解とご協力をお願いいたします。

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